2012年12月27日

相続:寄与分について(その1)

 寄与分の制度は、共同相続人中に農業や商売を継続して手伝ったり、療養看護や借金の肩代わりをした場合など、被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者がある場合、その者に寄与に相当する額を加えた財産を取得させ、相続人の実質的な衡平を図ろうとする制度として定められています(民904条の2)。

 例えば、亡くなった方に、5000万円の遺産があり、妻と子2人がいて、妻が1000万円の寄与をしていると評価される場合、5000万円から1000万円を除いた(5000万円−1000万円=)4000万円を基礎として、子らは各1/4ずつの1000万円ずつ、妻は1/2の2000万円に1000万円の寄与分を加えた額を相続分として取得できるという計算になります。

 問題は、寄与といっても、いろいろな類型があり、具体的にどのような場合に寄与分が認められ、またその寄与分を認めてもらうためにどのような証拠資料が必要となるかという点です。

 次回以降に述べさせていただきます。
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2012年12月21日

相続:遺留分について(その2)

 前回お話ししたのは、父が死亡し、2人の子(長男・長女)が相続人であったが、長男に全財産を相続させるという遺言を書いていたというケースで、もう1人の相続人である長女は遺留分減殺請求権を行使できるが、父の死亡と遺言の内容を知ってから1年で時効にかかるので注意しましょうということでした。
 さて、このケースで、相続財産が自宅の不動産(土地・建物で、時価相当額3000万円)のみであったとして、長女が遺留分減殺請求権を行使するとどうなるのでしょうか。

 長女の遺留分が原則として相続財産の(1/2×1/2で)4分の1ですから、土地・建物それぞれを長男持分4分の3、長女4分の1ずつで共有した状態になります。
 そして、この不動産を2人の間で分けるという場合には、家庭裁判所に調停の申立てをして遺留分に関する調整を求めていく方法もありますが、これはあくまでも話し合いの手続です。
 折り合いがつかなければ、共有物分割請求の訴えを、地方裁判所に提起することになります。

 その訴訟によって、全部長男が所有権を取得することとしつつ、長女には、その4分の1に相当する(3000万円×1/4=)750万円を長男から代償金として支払うように判決で決められたり、長男にそのような金額の金銭を支払う能力がないような場合には、この不動産を競売にかけて、売れた金額の3/4を長男、1/4を長女が取得するものと決められたりすることになります。
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2012年12月14日

相続:遺留分について(その1)

 相続に関して、難しい問題がたくさんあるのが遺留分の問題です。

 例えば、既に母が先に亡くなっていて、後に父が亡くなり、相続人は、長男・長女の2人で、父の相続財産としては、自宅の不動産(土地・建物で、時価相当額3000万円)のみといったケースで考えてみましょう。
 このケースで、亡くなった父が、財産の全てを長男に相続させるという遺言を残していたら、長女には何の権利もないのでしょうか。

 このような場合に、遺留分減殺(いりゅうぶんげんさい)請求権を行使することが考えられます。
 長女の本来の相続分は2分の1ですが、遺留分はその半分である4分の1ということになります。
 ここで注意しなければならないのは、時効です。

 遺留分を請求することができる者、つまり、長女が父の死と長男に全てを相続させるという遺言があることを知ったときから、1年間権利行使しないときは、遺留分減殺請求権は消滅してしまいます。
 1年以内に、遺留分減殺請求権を行使したということを、確実に証拠として残しておくためには、弁護士や司法書士などの専門家に内容証明郵便を作成してもらって、長男に送っておくと安心です。

 冒頭で上げたケースの場合、長女が長男に対して、遺留分減殺請求権を行使したら、どうなるのでしょうか。
 この点は、また次回に述べさせていただきます。
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