2013年02月22日

交通事故証明書について

 次のような相談を受けることがよくあります。

 「交通事故にあいました。自転車に乗って買い物に行こうと、自宅前の路地から近くの道路に出たところ、ちょうど通過してきた自動車と接触し、転倒してしまいました。自転車の修理は必要でしたが、身体の方はたいしたケガもなく済みそうで、特に痛いところもありません。相手方から、免許証の点数の残りがないので警察には言わないでほしいと言われています。どうしたらよいでしょうか。」

 事故直後には、気が張っていて、痛みがなくても、翌日、激しい痛みが出ることはよくありますから、あまり急いで判断しない方が良いと思います。

 それから、人身に至らなくて、物損で終わる場合でも、保険金請求のために交通事故証明書が必要とされるのが一般的取り扱いです。
 後日、加害者が修理費を払ってくれない場合もあります。
 警察には連絡をして、交通事故証明書の作成はできるようにしておいた方がよいと思います。
posted by habataki at 00:00| 交通事故

2013年02月08日

相続:特別受益について(その3)

1 高等教育の費用
 高等教育というのは、義務教育である中学校よりも上の高等学校や大学といった段階の教育です。
 一般には、中学校までの義務教育はもちろん高等学校教育についても、現在のわが国の教育水準を考慮すると、親の扶養義務の範囲内に属するものであり、親が亡くなった場合に特別受益と評価するべきではないと考えられています。

 大学教育については、被相続人(親)の資産状態や社会的な地位などを考慮して、扶養の範囲内というべきか、生計の資本としての特別受益と評価するべきかを決めるべきだとする裁判例があります。
 ケースごとに、主には大学教育を受けていた当時の被相続人(親)の資産状態がどうだったかが決め手になってくると思います。

2 生命保険金請求権
 亡くなった方(被相続人)に掛けられていた生命保険の保険金については、契約に際して定められた受取人が請求権を取得することになります。
 相続の対象となるか否かについて、判例は原則として生命保険金請求権は遺産にはならず、受取人の固有の権利であるとされています。
 税法上はみなし相続財産とされることが多いので、注意が必要です。

 次に、生命保険金請求権が、遺産に含まれないとしても、特別受益として持ち戻し計算すべきか否か、持ち戻し計算するとしてその金額をいかに考えるべきかについては、考え方が対立しています。
 通説的な考え方は、特別受益として持ち戻し計算の対象とすべきだとし、持ち戻しされるべき金額は、現実に支払われた保険料の額の保険契約上払わなければならない保険料全額に対する割合を、支払われる生命保険金に乗じて算出された金額を持ち戻しすべきだとしています。

 特別受益に関する考え方は理解できても、現実にどう計算するかとなると、困難な問題があります。是非専門家に相談してアドバイスを求めて下さい。
posted by habataki at 00:00| 相続

2013年02月01日

相続:特別受益について(その2)

 どのような財産が特別受益によるものとして、持戻し(相続時の財産に計算上加算する)されるのでしょうか。

 遺贈(遺言による贈与)については、もちろん特別受益となりますが、遺贈された財産は、相続開始時点では相続財産のうちに含まれているから、加算する計算をする必要はありません。

 婚姻、養子縁組のための贈与も特別受益となるといわれていますが、結納金や挙式費用はどうなるのでしょうか。
 この点については、特別受益にあたるとする考え方と、あたらないとする考え方があり、対立しています。 挙式費用が、あたらないとする考え方は、当事者本人たちのためというよりも、親の社交上の支出という性質が強いからという理由などが挙げられています。

 生計の資本としての贈与としては、子が独立して生計を立てようとするときに、居住用の土地建物を贈与するような、生計の基礎として役立つような財産上の給付をいうと考えられています。

 ほかにも、高等教育を受けた費用や生命保険金請求権などについても特別受益と考えるべきかといった問題があります。次回に触れたいと思います。
posted by habataki at 00:00| 相続