2013年05月31日

敷金は返ってこないのでしょうか?(part2)

 前回お話したとおり、借主が普通に生活をしていて生じた賃借物件の損傷に関する修繕費・清掃費については、敷金から差し引くことができないのが原則です。
 それにもかかわらず、家主や不動産業者から、「契約書には『契約が終了するときは、借主は、敷金を以って賃借物件を原状に復するものとする。(原状回復特約)』と書いてあるから全ての修繕費・清掃費を敷金から差し引きます。」というようなことを言われることがあります。

 しかし、このような原状回復特約があるからといって、直ちに敷金からの差し引きが認められるわけではありません。
 普通に生活して生じた賃借物件の損傷に関する修繕費等を借主に負担させるためには、そのことが明確に合意されている必要があると考えられています。

 明確に合意されているかどうかは、個々の契約書の内容や借主の認識などを考慮して検討する必要がありますが、本当に差し引かれるべき敷金なのか、もう一度よく検討してみるべきだと思います。
                                                 (文責:田中一人)
posted by habataki at 00:00| 不動産賃貸借

2013年05月01日

敷金は返ってこないのでしょうか?

 新学期・新生活が落ち着いてきたこの時期、「以前借りていた部屋の敷金が返ってこないのですが、敷金は返してもらえないものなのでしょうか?」といった相談をよく受けます。

 多くの場合、未払賃料や部屋の修繕費・清掃費が敷金から差し引かれています。
 この点、未払賃料については敷金から差し引くことが一般的に認められています。
 では、部屋の修繕費や清掃費はどうでしょうか。

 子どもの落書きや煙草のヤニによる壁紙の汚れなどのように、借主の不注意等が原因で賃借物件を損傷させてしまった場合、その修繕費や清掃費を敷金から差し引くことが認められるのが一般的です。
 一方、冷蔵庫やテレビを置いたことによる床や壁紙の日やけなどのように、普通に生活をしていて生じた賃借物件の損傷に関する修繕費や清掃費については、原則として、敷金から差し引くことはできません。

 したがって、契約書の内容などによって結論は異なりますが、家賃の滞納もなく普通に生活していただけなのに敷金が一切返ってこなかったというような場合には、敷金が返ってくる可能性が十分あります。
 不動産屋と交渉をしたり、弁護士に相談してみるとよいかもしれません。
                                                         (文責:田中一人)
posted by habataki at 18:17| 不動産賃貸借

2012年10月10日

不動産賃貸について

「テナントを貸しているが、借家人が家賃を払わない。」
「現時点で、約6カ月分の滞納になっている。」
「これまでも何度も催促してきたが、いつも遅れがちで、もう明渡してもらいたい。」
といった相談をよく受けます。

 このような場合には、借家人に対して、滞納賃料の請求と、支払わない場合には、賃貸借契約を解除する旨の内容証明郵便を送ります。
 連帯保証人がついている場合が多く、その場合、同時に連帯保証人にも、同じ内容の文書を発送することから始めます。

 それでも支払わない場合、訴訟を提起して建物の明渡しを求めることになります。この場合も、連帯保証人があれば、同時に被告として訴訟を提起します。
 問題は、このような訴訟を提起し、建物を明渡せとの判決を得た後の処理です。

 判決を得た後に強制執行をしなければ明渡しという目的は達成できません。
 建物明渡しの強制執行は、基本的には半日で一挙に行われるので、多くの人手と、トラックを用意しなれければならず、50万円を超える費用がかかることもあります。
 滞納家賃の請求も同時にして、判決を得て、建物内の動産類を差押え、安価で家主自らが買取るなどの工夫をすれば、費用を低く抑えることができる場合もあります。
 種々工夫をしながら処理をする必要があると思います。
posted by habataki at 00:00| 不動産賃貸借