2013年11月20日

労働災害について(その2)

 さて、本年7月30日のブログで労災補償制度についてふれました。
 この補償について、公的な保険制度として整備されているのが労働保険です。

 労災保険には、業務災害のほかに、通勤途中に交通事故の災害にあった場合の通勤災害が定められています。
 この通勤災害についても、業務災害と同じ内容の手当が支給されます。

 労災保険給付としては、
@療養補償給付(原則として療養の給付として、保険者たる政府が、自己の療養施設又は指定医療機関を通じて、直接に被災労働者に対して給付するもの)
A業務補償給付(労働者が業務上負傷又は疾病にかかり、その療養のために労働することができないために賃金を受けない場合に、休業4日目から1日につき給付基礎日額の6%に相当する額が支給されるもの)
B障害補償給付(業務災害による傷病が治ったとしても、身体に障害が残った場合、その障害の程度に応じて支給されるもの)
C遺族補償給付(労働者が業務上の事由により死亡した場合に、その遺族に対して支給される遺族補償年金又は一時金)
などがあります。

 労働災害について、会社に対して損害賠償請求をする場合、これらの労働保険給付金は、損益相殺として損害から控除されます。
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2013年07月30日

労働災害について(その1)

 労働者が労働契約に従った業務に従事していた際に受けた死亡・負傷等のことを、労働災害といいます。

 このような労働災害を労働者が受けた場合に、労働者を保護するための補償制度の一つに、労働基準法に定める無過失責任による労災補償制度があります。

 この労働基準法上の労災補償制度は、労働者が労働契約に従った業務に従事していた際に、その業務に起因して死亡・傷害等の損害が発生した場合には、使用者に対して労働基準法上、無過失責任を課し、労働者が定額の補償を受けるというものです。(無過失責任というのは、故意はもちろん、不注意がなくても責任を負わせるものです。)

 この補償については、政府が管掌している公的な保険制度である労災保険制度が整備され、使用者の資力等にかかわらず、労働者を保護するとともに、補償の範囲を拡大した社会保障制度となっているといわれています。(渡辺弘著『労働関係訴訟』223頁参照)

 次回以降に労災保険制度の内容や、民法上の不法行為責任などとの関係をお話しします。
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