2013年07月30日

労働災害について(その1)

 労働者が労働契約に従った業務に従事していた際に受けた死亡・負傷等のことを、労働災害といいます。

 このような労働災害を労働者が受けた場合に、労働者を保護するための補償制度の一つに、労働基準法に定める無過失責任による労災補償制度があります。

 この労働基準法上の労災補償制度は、労働者が労働契約に従った業務に従事していた際に、その業務に起因して死亡・傷害等の損害が発生した場合には、使用者に対して労働基準法上、無過失責任を課し、労働者が定額の補償を受けるというものです。(無過失責任というのは、故意はもちろん、不注意がなくても責任を負わせるものです。)

 この補償については、政府が管掌している公的な保険制度である労災保険制度が整備され、使用者の資力等にかかわらず、労働者を保護するとともに、補償の範囲を拡大した社会保障制度となっているといわれています。(渡辺弘著『労働関係訴訟』223頁参照)

 次回以降に労災保険制度の内容や、民法上の不法行為責任などとの関係をお話しします。
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2013年07月03日

離婚の際に決めた養育費は後から変更できるのか?(part2)

 前回は、離婚時点で予想できなかったような変化があった場合、家庭裁判所で養育費の変更が認められうることをお話しました。
 では,養育費の増減額の請求において、どの時点をもって養育費が増減額されるのでしょうか。

 この問題は、養育費増減額の調停を申立てたが、相手方がこれに応じず、長期間養育費の額が決まらないような場合に問題となります。

 この点、様々な考え方がありますが、通説的な考え方としては、請求時から養育費が増減額されると考えられています。
 そのため、理論的には、調停申立から調停成立までの養育費については、調停成立後の養育費の金額をもとに計算をし、払いすぎや不足があった場合には清算をする必要があるということになります。
                                                 (文責:田中一人)
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2013年06月26日

離婚の際に決めた養育費は後から変更できるのか?(part1)

 養育費の金額は、離婚時点の夫婦の経済力や監護する未成年の子の事情等を考慮して、合意、調停、審判などによって決定します。
 離婚時点で、将来のことも念頭において養育費の金額を決定する以上、すぐに養育費を変更できるというわけではありません。

 しかし、養育費の支払いは長期間に亘るため、夫婦双方の経済力や未成年の子の事情、社会情勢の変化等、離婚時点で予想できなかったような変化があった場合には家庭裁判所で養育費の変更が認められる場合もあります。
 たとえば、養育費を支払っていた夫がリストラにより失業した場合には夫側からの養育費の減額が認められるでしょうし、養育費を受け取っていた妻が病気や怪我で多額の医療費がかかるようになった場合には養育費の増額が認められるでしょう。

 養育費の変更が認められるのは、あくまでも当初の養育費を決めた時点で予想できなかった変化があった場合であるということが重要になります。
                                                 (文責:田中一人)
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